「ブルーローズを舞台としたモンテヴェルディ・アンサンブルの公演、昨年は聖母マリアと愛の神アモーレに照準を合わせ、宗教曲とマドリガーレにおける「愛の二態」を描き出しました。しかしモンテヴェルディによる「愛」のテーマの追求は、オペラにおいてこそ、万人に感動を与える形で行われています。ですから、「オペラ篇」のコンサートを第二弾として開催することは、当然のように芽生えた、われわれの念願でした。
現存する3曲のモンテヴェルディ・オペラのうち、今回は彼の晩年にヴェネツィアで作曲された《ウリッセの帰還》と《ポッペアの戴冠》から、名場面を選りすぐってお届けすることにしました。なぜならこの2つの作品は、「愛」に対してまったく対照的なスタンスをとっているからです。
トロイア戦争の伝承に基づく《ウリッセの帰還》では、放浪するウリッセ(オデュッセウス)と故郷で待つ妻ペネーロペが、一途な夫婦愛で結ばれています。引き離された二人が劇的な再会を遂げる経緯が、オペラに描かれてゆくのです。
これに対し、ローマ帝国の歴史に基づく《ポッペアの戴冠》では悪女のポッペアが主導権を握り、皇帝ネローネ(ネロ)に色仕掛けで取り入るばかりか、皇后オッターヴィアを排除して、その後釜に座ってしまいます。このあまりにも異なる愛のドラマに天上の神々がからんでくるのが、バロック・オペラの特色であり、面白さなのです。
昨年絶賛をいただいた櫻田亮さんがウリッセとネローネを歌うのに加えて、相方のペネーロペとオッターヴィアに大歌手加納悦子さんを得たことが、今回の自慢です。通奏低音を担当しながら統括する渡邊順生さん、気鋭の出演者ともども、光と影の交差するモンテヴェルディ・オペラの魅惑と毒をたっぷり味わっていただけるよう、全力を尽くします。」(礒山雅)
櫻田亮 テノール |
加納悦子 メゾ・ソプラノ |
2/8(土)西洋館de古楽オープニング・コンサート、聖堂に響くバッハ「寺神戸亮/渡邊順生の世界」は、好評の内に無事終了しました。 当日は大雪のため開催の有無に関するお問い合せ、キャンセルが相次ぎましたが、最終的には予定入場者数の6-7割のお客様が来場されました。ご来場の皆様、ありがとうございました。
写真は当日の会場付近(山手聖公会、山手十番館、他)撮影:渡邊順生
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音楽学の加藤拓未(かとう・たくみ)さんが2/8の演奏会にご来場、次のような感想をご自身のページに掲載して下さいました。
『45年ぶりの大雪――。皆様はいかがお過ごしでしょうか?
私は、山手聖公会に山手プロムナード・コンサート第29回「聖堂に響くバッハU――寺神戸亮&渡邊順生の世界」を聴いてきました。
雪のなか必死に会場にたどり着くと、そこにはいつもとは違う幻想的な聖公会がありました(写真参照)。
ハンブルク留学時代、吹雪のなか寒い思いをして教会コンサートに通ったことを思い出しました。ちょうど、今日の聖公会もそんな雰囲気。まるで冬のドイツ気分で、バッハを聴けるなんて、なかなかオツな感じです。
演奏会は、名手二人による期待通りの素晴らしいバッハ演奏が堪能できて、本当に来た甲斐がありました。
ラインナップは、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調(BWV1003)、パルティータ第5番ト長調(BWV829)、ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第5番ヘ短調(BWV1018)、同第6番ト長調(BWV1019)と、名曲揃い。配られたプログラム解説も素晴らしく、演奏者自身による分析や解釈が明快に綴られていて、いっそう演奏を深く鑑賞できました。』
音楽の友2013年4月号に
西洋館de古楽2013オープニングコンサート(山手プロムナード第26回) 匠の奏でるバロック〜有田正広&渡邊順生の世界
の評が載りました。
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フルートのレパートリーとして最も有名なバッハのソナタロ短調BWV1030のオリジナルな形は、フルートとリュートチェンバロによるものでト短調で書かれています。この曲はこれまでリュートチェンバロを用いて演奏されたことは殆どなく(皆無かもしれません)録音に関しては皆無です。リュートチェンバロという楽器自体が稀少であること、またフルート(トラヴェルソ)奏者は非常に高度なテクニックが要求されるためもあります。今回、オリジナルな形で皆様に聴いて頂ける初めての機会で、これを逃したら次はないでしょう。 渡邊順生(チェンバロ)
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ラウテンクラヴィーア (リュートチェンバロ) |
コンサート詳細はconcertsページをご覧下さい。
新CDリリース情報
J.S.バッハ フランス風序曲
【グスタフ・レオンハルトの思い出に捧ぐ】
渡邊順生(チェンバロ)
サントリー音楽賞を受賞し、近年ますます充実した活動を展開する鍵盤楽器奏者・渡邊順生(わたなべよしお)が、2012年1月に亡くなった師・レオンハルトの思い出に捧げる追悼盤。
ここに収められたバッハ作品はいずれも、渡邊がチェンバロを志した40年前にレオンハルトの録音を通じて魅了された、言わば渡邊の原点とも言える作品である。
使用楽器は、レオンハルトも録音に使用し歴史的チェンバロ復活の先駆けとなった名匠スコヴロネック製作による後期フランダース様式の二段鍵盤チェンバロ。製作から半世紀を経て円熟味を増した伝説の名器が、その豊かな響きによって古楽復興の今と昔を深く刻みこんでいる。
詳細は
discographyページをご覧下さい。
CDリリース情報
「幻の響き、300年の時を経て今ここに蘇る」
【J.S.バッハ:ラウテンクラヴィーアのための音楽】
渡邊順生(ラウテンクラヴィーア[リュートチェンバロ])
16世紀以来ヨーロッパ各地で製作され、多くの作曲家たちを魅了したにもかかわらず最近まで実物が残っていないとされてきた幻の楽器「ラウテンクラヴィーア(リュートチェンバロ)」。ガット弦を使い、止音装置(ダンパー)を持たないこの「鍵盤のついたリュート」は、その豊かな響きによってバッハが真の大作曲家としての道を歩む重要な契機ともなった。
バッハ自身がラウテンクラヴィーアのために作曲し、あるいは自ら奏でた作品に挑むのは、昨年サントリー音楽賞を受賞したチェンバロ界の雄、渡邊順生(わたなべよしお)。歴史に忘れられた幻の響きが、300年の時を経て今ここに蘇る。(コジマ録音ALM RECORDS WEBSITE より)
詳細は
discographyページをご覧下さい。
ブログ再開しました!
ブログ再開、三日坊主にならないようにします。
●インタビュー 『フランス・ブリュッヘン』 聞き手 渡邊順生
2011年7月7日。新CD
「シューベルト歌曲集<白鳥の歌>」発売!
【シューベルト歌曲集<白鳥の歌>】
ジョン・エルウィス(テノール)
渡邊順生(フォルテピアノ)
ALM RECORDSより発売。
詳細はdiscographyページをご覧下さい。
サントリー受賞記念コンサート
サントリー受賞記念コンサートが行われました。
7/13:クラヴィコードの夕べ(東京オペラシティ近江楽堂)
7/16:ゴルトベルク変奏曲(横浜山手聖公会)
2010年度第42回サントリー音楽賞受賞
2011年6月23日午後5時よりサントリーホールにて贈賞式が行われました。司会進行は朝岡聡氏、サントリー芸術財団代表理事・堤剛氏のご挨拶に始まり、授賞式、受賞者挨拶に続き渡邊のフォルテピアノ演奏で会は締めくくられました。
曲目はベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 op.109
「モーツァルト フォルテピアノデュオ」のCDが
2006年度レコード・アカデミー賞
を
「器楽曲部門」で受賞しました!!
渡邊順生・崎川晶子(フォルテピアノ)
ALCD-1073(コジマ録音=ALMレコード)
「曲目一覧」 「解説」 「批評」
レコード・アカデミー賞とは?
受賞記念コンサート
山手プロムナードコンサート
これまでにない新しいコンサートの形式と
充実した内容で2003年10月にスタート。
過去9回の公演は、毎回好評を頂いています。
次回公演:
第10回 in 西洋館
J・S・バッハ:ゴルトベルク変奏曲
〜バッハの代表的傑作を優雅なサロンで聴く〜
渡邊順生(チェンバロ)/朝岡聡(お話)
2007年1月28日(日)午後6時30分開演
ベーリック・ホール(横浜・山手)
著書
「チェンバロ・フォルテピアノ」
が
新しくなりました !!
2006年10月16日 第2刷刊行
- 300ページ以上にわたり訂正と改変を行いました。
- 幾つかの図版(主に写真)を追加。
- 図版の印刷濃度を調整し、写真が鮮明で、見やすくなりました。
関連コンサート:
レクチャー・コンサート・シリーズ
「ピアノの歴史」(全8回)
@横浜みなとみらいホール・小ホール
朝日カルチャーセンターの講座
最近は、朝日カルチャーセンターの講座も幾つか持っています。古楽器やバロック音楽に関する講座が大半を占めていますが、19世紀末から20世紀前半の巨匠たち(フルトヴェングラー、クライスラー、ラフマニノフ等)の演奏についての講座もあります。こうした過去の名演奏家の演奏は、一見、古楽器とは何の関係もないように見えますが、決してそんなことはありません。エッ!何故かって?それをお知りになりたい方は
こちらのページも覗いてみて下さい。
■2007年新春の講座@新宿教室
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□バロック音楽の真髄 モンテヴェルディの音楽
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- 3回シリーズ(2007年1〜3月)
- □レクチャー・コンサート 2007年2月3日(土)
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- 午後の部15:00-17.30
- バッハ:ゴルトベルク変奏曲
(講師:礒山雅、演奏:渡邊順生[チェンバロ])
- 夕方の部18.30-20.30
- モーツァルト/華麗なるピアノ音楽
(講師:渡邊順生、演奏:崎川晶子、渡邊順生[フォルテピアノ])
■2006年の講座@新宿教室
- □ピアノの歴史〜楽器と音楽の発展の軌跡を辿る
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- 3回シリーズ(2006年10〜12月)
- □鑑賞の手引き(バッハからベートーヴェンへ)
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- 全8回(2006年3〜9月)
- バッハの協奏曲(全2回)/バッハのフーガ/バッハの組曲(全2回)
- モーツァルトとベートーヴェンのソナタ形式(全3回)
■2005年の講座@新宿教室
- □フルトヴェングラーとベートーヴェン@新宿教室
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- 4回シリーズ(2005年7〜10月)
- □レクチャー・コンサート 2005年10月1日(土)
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- 午後の部
- バッハのチェンバロ音楽
(講師:樋口隆一、演奏:渡邊順生[チェンバロとクリストフォリ・ピアノ])
- 夕方の部
- ベートーヴェンのピアノ音楽
(講師:渡辺裕、演奏:渡邊順生[クリストフォリ・ピアノとフォルテピアノ])
- □ヴァイオリン音楽/古楽から現代まで@新宿教室
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- 6回シリーズ(2007年2〜7月
- ヴァイオリン音楽の曙
J・S・バッハのヴァイオリン音楽
ヴィヴァルディからパガニーニへ
モーツァルト・ベートーヴェンのヴァイオリンとチェロのための音楽
ロマン派のヴァイオリン音楽
20世紀のヴァイオリン音楽
■2004年のレクチャー・コンサート@新宿教室 2004年9月25日(土)
- 午後の部
- フェルメールとその時代の音楽
(講師:小林頼子、演奏:渡邊順生[チェンバロ]、松堂久美恵[ソプラノ])
- 夕方の部
- モーツァルトのピアノ音楽
(講師:海老澤敏、演奏:渡邊順生[フォルテピアノ])
■2004年秋の講座
- □楽器でたどる古楽の魅力
- 3回シリーズ(2004年10月〜11月)=@新宿教室
- □バロック音楽入門
- 2回シリーズ(2004年10月〜12月)=@横浜教室
■2003年4月〜2004年7月までの講座
- □チェンバロからピアノへ1400-1840
- 8回シリーズ(2003年4月〜12月
- □世紀の名演奏
- 6回シリーズ(2004年2月〜7月)
雑誌への「出演」
執筆
□ショパン(2004年8月号)
古楽器を見てみよう(古楽器概説)
□レコード芸術(2004年2月号)
こだわりベスト3(私の選んだ3枚のディスク)
INTERVIEW
□音楽の友(2004年6月号)
ベートーヴェンのピアノについて
(p.132)
□レコード芸術(2003年6月号)
ベートーヴェン《月光》ソナタのレコード
記事
□音楽の友(2004年5月号)
リニューアルした一橋大学兼松講堂
写真(石原都知事との談笑の場面)付
誌上レッスン(解説付き楽譜)
□ムジカノーヴァ(2004年9月号)
BACH
半音階的幻想曲とフーガ
BWV903
〜幻想曲(ファンタジア)
□ムジカノーヴァ(2004年8月号)
BACH
イタリア協奏曲
BWV971
〜第3楽章
□ムジカノーヴァ(2004年7月号)
BACH