Cembalo, Clavicordo & Fortepiano
 J.S.バッハ イタリア協奏曲
 解説


 □ルッカース・グラン・ラヴァルマン
 □フランソワ・エティエンヌ・ブランシェによる《猿のチェンバロ》
 □ニコラ・ルフェーヴルのチェンバロ
 □《イタリア協奏曲》と《フランス風序曲》
 □バッハ父子の《2台のチェンバロのための協奏曲》
 □A Note about the Instruments
 □曲目一覧

このディスクの演奏には、3台のフランス様式の二段鍵盤のチェンバロが使用されている。

アンソニー・サイデイ、パリ、1996年[モデル:アンドレアス・ルッカース作のチェンバロ(アントワープ、1636年)をパリのアンリ・エムシュが1763年に拡 大改造したもの]
 −演奏曲目 フランス風序曲、2台のチェンバロのための協奏曲

デヴィッド・レイ、パリ[モデル:フランソワ・エティエンヌ・ブランシェ、パリ、1733 年]
 −演奏曲目 2台のチェンバロのための協奏曲

マルティン・スコヴロネック、ブレーメン、1990年[モデル:ニコラ・ルフェーヴル、 ルーアン、1755年]
 −演奏曲目 イタリア協奏曲

 サイデイ、レイ、スコヴロネックの3人は、現代のチェンバロ製作において、特別な位置を占める製作家である。彼らの作るチェンバロが、楽器――すなわち音楽をするための道具として、極めて優れているというだけではない。これらの3人の製作家たちは、いずれも、17〜18世紀に製作されたチェンバロの調査・研究・修復などを通じて、オリジナルのチェンバロについての深い知識と経験を持ち、彼らの製作するチェンバロの音からは、モデルとしたオリジナルの製作者たちの意図、その背景となった時代が見えてくる。それは丁度、優れた演奏家の演奏から、作品の真実と演奏家の個性の緊密な結び付きが聞こえてくるのとよく似ている。

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