横浜みなとみらいホール・小ホール レクチャーコンサートシリーズ
「ピアノの歴史」(全8回)

第3回:モーツァルト〜クラヴィーア音の深層〜
日時
2007年2月24日(土)午後6時
講師
海老澤 敏
演奏
崎川晶子(独奏及びピアノ・デュオ)、渡邊順生(ピアノ・デュオのみ)
使用楽器
フェルディナント・ホフマン作(ウィーン、c1790)のフォルテピアノ
音域:5オクターヴと2度/63鍵FF-g3、高音部三重弦
ストップ:膝レバー式ダンパー、プッシュ・プル式モデラート
フェルディナント・ホフマン作(ウィーン、c1795)のフォルテピアノ
音域:5オクターヴ半/68鍵FF-c4。高音部三重弦
ストップ:膝レバー2(ダンパー、モデラート)
楽器運搬調律
池末 隆
□内容
 楽器という見地からすれば、モーツァルトは正に「ピアノの申し子」でした。オーストリアというピアノの後進地域で育ったためピアノに触れる機会を得たのは比較的遅かったのですが、ひとたびピアノに出合うとこれを自分の生涯の楽器と見定めました。1781年、モーツァルトがウィーンに居を移した時には、ウィーンにおけるピアノ製作はまだ緒についてもいませんでした。従って、モーツァルトはウィーンにピアノのブームを巻き起こし、同地におけるピアノの興隆期を担った最大の功労者の一人だったのです。
 モーツァルトが器楽の分野で最も力を入れたのは「ピアノ協奏曲」であり、これは、彼自身の演奏活動においても最大の呼び物となりました。この中で、彼は「対話の技法」をはじめとするオペラ的手法を縦横に駆使しましたが、サロン音楽のジャンルで彼が力を入れたピアノ・デュオすなわち2台ピアノあるいは1台のピアノの四手連弾のための作品の中では、ピアノ協奏曲の手法が十二分に活かされています。ピアノ・デュオという演奏形態を確立した功績もまたモーツァルトに帰せられます。
 この回では、ピアノ協奏曲とピアノ・デュオという領域に1つの重心を置きながら、もう一方で、彼が時折素顔を覗かせるピアノ・ソロの内面的な深みのある世界についても考察します。
□演奏曲目
トルコ行進曲KV331
ピアノ協奏曲第20番ニ短調KV466より
ピアノ・ソナタ ハ長調KV330
幻想曲ハ短調KV475
四手連弾のためのアンダンテと変奏曲ト長調KV501
2台のピアノのためのソナタ ニ長調KV448より
渡邊順生&崎川晶子によるCD『モーツァルト フォルテピアノデュオ』
■この回のチケットは既に完売ですが、4月5日に同じ演奏者によるコンサートがあります。
レコード・アカデミー賞受賞記念コンサート
華麗なるフォルテピアノの世界
〜モーツァルトとシューベルトのデュオ作品を集めて〜

2007年4月5日(木)午後7時@ヒルサイドプラザ(東京・代官山)



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