『パーフェクト・ストーム』を見て

 この夏(2000年夏)に見た映画の中では、『英雄の条件』と『パーフェクト・ストーム』が印象に残った。特に後者は、最近の映画には珍しいほど、男のロマンを感じさせる海洋スペクタクルである。主演のジョージ・クルーニーは、一昔前のタフガイを思わせる。私は、この映画の他には、ニコル・キッドマンと共演した『ピースメーカー』を見ただけだが、今後の動向が気になる俳優だと思った。『パーフェクト・ストーム』を見ていたら、昔の『ジェニーの肖像』(1948)という映画を思い出した。これは、過去の世界から現れた女(ジェニファー・ジョーンズ)が画家(ジョゼフ・コットン)と恋に落ち、短時間の間に充実した生を生きて、嵐のコッド岬(マサチューセッツ州)で波に呑まれてしまうという超現実的な物語で、『風と共に去りぬ』の名プロデューサー、デヴィッド・セルズニックの代表作の1つであった。『パーフェクト・ストーム』との共通項はハリケーンだけなのに、私の映画についての連想は、どうも古いものにばかり向かうようだ。濃厚なロマンティシズムに溢れた映画で、ヒッチコックの『めまい』とも共通する部分が少なからずあった。今はもう知る人も少なくなってしまった映画かも知れないが、なかなかの名作である。


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