横浜みなとみらいホール・小ホール レクチャーコンサートシリーズ
「ピアノの歴史」(全8回)

第2期

第7回:巨匠の時代〜ヴィルトゥオーゾの軌跡〜
日時
2007年10月27日(土)午後6時
講師
大崎滋生(桐朋学園大学教授)
演奏
野平一郎(ピアノ)
使用楽器
ヨハン・バプティスト・シュトライヒャー作(ウィーン、1871)
音域AAA-a44(85鍵)/単弦(真鍮巻スティール弦)AAA-CC/
二重弦(洋銀巻スティール弦)CC#-B/三重弦c-a4/並行弦 半鉄骨フレーム
ハンマーヘッド=羊毛にシャモア鹿の皮巻き
アクション=プレルツンゲンメヒャーニク(ウィーン式アクション)
ペダル2=ダンパー/ウナ・コルダ 寸法:全幅135.5cm x 全長237cm
□内容
 一般には、19世紀の前半が初期ロマン派作曲家たちによる「ピアノの時代」と認識されているのに対し、後半はヴァーグナーのオペラ、ブルックナーのシンフォニーなどの大型作品の時代というイメージが強くなっています。しかし、ピアノ音楽においては、リストをはじめとして巨匠的名人が並び立ち、星の数ほどのピアノ作品が次々に生み出されると共に、ピアノ音楽が全ヨーロッパ的広がりを見せた時代でもあります。そのような時代のいくつかの断面をお見せすることで、音楽史教育の誤り乃至不足を是正するような狙いもこめたいと思っています。
 この回で最初に取り上げるのは、リストと並び称せられた史上最大の名人の1人であるロシアのアントン・ルビンシテイン(1829-94)です。そして、イタリアのジョヴァンニ・ズガンバーティ(1841-1914)、ポーランドのフランツ・クサーヴァー・シャルヴェンカ(1850-1924)など、この時代に脚光を浴びた超絶的な名人たちの作品もお聴かせします。ズガンバーティは、イタリアの神童としてスタートした後、リストの薫陶を受け、ヴァーグナーからもその作品が高い評価を受けました。このように、ドイツ音楽の洗礼を受けながらも、彼の音楽はイタリア的特質を失わず、イタリアにおけるオペラ以外のジャンルの中興の祖の1人となったのです。
□演奏曲目
アントン・ルビンシテイン:
(1829-94)
ピアノ・ソナタ第1番ホ短調作品12(1854)
ジョヴァンニ・ズガンバーティ:
(1841-1914)
プレリュードとフーガ変ホ短調作品6(1876)
クサーヴァー・シャルヴェンカ:
(1850-1924)
ピアノソナタ第1番嬰ハ短調作品6(1872)



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